ウッドバレイ ハーモニカ
木谷悦子クロマチックハーモニカ教室

Q1 : クロマチックハーモニカと他のハーモニカの違いは?
クロマチックハーモニカは一本で全てのキーが演奏できる楽器「クロマチック」とは「半音階」という意味です。楽器の右横にあるレバーを押すことで、半音上の音が出ます。
 複音ハーモニカや10ホールハーモニカはこの半音階(ピアノで黒鍵にあたる部分の音がないので、曲のキーによって楽器を持ち替えなくてはなりませんが、クロマチックハーモニカは一本で全てのキーが演奏できます。
 クロマチックハーモニカは、穴が12個あるタイプ、また14個、16個のタイプなど様々な種類があります。4つの穴で半音階を含めた1オクターブの音を出せるので、12穴なら3オクターブ、16穴ならバイオリンやギター、サックスよりも広い4オクターブの音を出す事ができます。ですから、ジャズ、ポピュラー、クラッシック、童謡、演歌などジャンルを問わず、どんな曲でもクロマチックハーモニカ1本で演奏できるのです。
 まだまだ一般的には知られていないかもしれませんが、ポケットに入る大きさで、約1〜2万円から購入でき、他の楽器に負けないような豊かな表現ができる、素晴らしい楽器なのです。


Q2 : クロマチックハーモニカでどんな演奏ができるの?
どんなジャンルの曲も演奏できるのもクロマチックハーモニカの魅力のひとつ ハーモニカといえば、童謡、唱歌、昔ながらの日本のメロディー、、、というイメージを持たれる方が多いのですが、クロマチックハーモニカはジャンルを問わず、どんな曲でも演奏できます。
 テレビドラマやCM、街中で流れる音楽にもクロマチックハーモニカの音は使われているのですが、皆さんが持っているハーモニカの音のイメージと違うので、それがクロマチックハーモニカの音だと気づかないのです。
 その音色やフレーズを一度耳にすると、「ハーモニカの音とは思えない」「まるでサックスやトランペットのようだ」と感動される人が多いでしょう。実際にそういう体験をしてクロマチックハーモニカを始めた方が、私の周りにはたくさんいます。
 簡単な曲でしたら初心者でもすぐに吹けますし、難しい曲やジャズのアドリブ、クラッシックでも対応できますので、やればやるほど奥が深く、楽しみも増えてきます。もちろん、カラオケで歌のかわりにメロディーを演奏することも出来ます。歌いながら、間奏でハーモニカを吹いてもカッコイイかもしれませんね!
 このクロマチックハーモニカは楽器演奏の経験のない方にとっては特に、手軽で奥が深く、楽しみながら一生つき合っていける楽器だと思います。


Q3 : クロマチックハーモニカのおススメは?
「高い=良いハーモニカ」ではありません。最初は日本のメーカーの楽器がおススメ クロマチックハーモニカを作っているメーカーは日本にも外国にもありますが、最初は日本のメーカーのものを購入することをおススメします。
 ハーモニカ初心者はどうしても力が入ってしまい、息のコントロールが上手く出来ないので、トラブルがつきものです。修理などのアフター・ケアが必要になった時には日本のメーカーの方が便利ですし、修理代も安いです。最初の一本は、壊れることを恐れず思いっきり吹いて、練習の中でいかに呼吸をコントロールするかを体で覚えていくと良いでしょう。
 近道は、インターネットでも楽器を購入できる便利な時代になってきましたが、なるべく楽器店に行って選びたいものです。先輩達が何を吹いているかを知る事も、参考になるでしょう。
 最近はクロマチックハーモニカの種類も増えてきました。クロマチックハーモニカを吹く人の数が、少しずつ増えてきたからなのでしょう。値段も10万円以上するものもあります。しかし、ハーモニカは高いから良い音とは一概に言えませんので、最初は2万円ぐらいのハーモニカをおススメします。なれてから2本目を購入する時に、違うメーカーや木製ボディーなど、色々なタイプを試してみるのもよいでしょう。



Q4 : 音楽経験がなくても大丈夫?
楽しむ気持ちが一番大事!音楽に携わる上で、一番大切なことは何だと思いますか?音楽を聴くにも、ハーモニカを長く続けるにも、上達するにも、発表会など人前で吹くにも、同じように必要なことがあります。
 それは、「楽しい」と思う気持ちです。
 大切なのは過去の音楽経験ではなく、これから音楽を楽しむ心。「努力する」「頑張る」「意思を強く持つ」などではなく、とにかく楽しむことです。
 楽しくなければ長続きしないし、上手くもならないし、発表会での演奏も上手くいきません。どんなことでも「楽しい」と感じる時には心のエネルギーが高まり、色々なことを吸収できるのです。
 「発表会で自分の演奏にたくさん拍手をもらった」「先生に褒められた」「レパートリーが増えた」「次は何を演奏しようかな」などなど、自分自身を楽しませることで、演奏はどんどん成長していきます。
 「音楽は苦手」「自分には無理」「音楽w始めるには遅すぎた」など、マイナス感情の言葉で自分自身に自己暗示をかけていると、成長の大きな妨げになってしまうのです。
 今この時から、一生懸命音楽を楽しみましょう。


Q5 : 何歳から始めても上達できるの?
ハーモニカは人生経験を積み重ねた人ほど味が出るプロのピアニストやバイオリニストになるためには、幼少の頃からの訓練が必要かもしれません。しかし、ハーモニカの場合は、60歳からでも70歳からでも練習次第でどんどん上達できますし、たとえ時間がかかったとしても、憧れの曲を十分に吹きこなすことができるようになります。私の生徒さんには80歳からスタートした人もいます。
 音楽経験がないから、楽譜が読めないからと、気後れする必要はまったくありません。「憧れの曲を吹きたい」この気持ちがあれば十分。誰に強制されるわけでもなく、マイペースで楽しみながらハーモニカに向き合う気持ちが大事です。
 特にハーモニカの音色には、隠しておいてもその人の生き方、人生が表れやすいものです。その意味では、逆に人生経験を積み重ねた年配の方の方が有利かもしれません。「呼吸力」も高まりますし、頭で様々なことを考えながら演奏することで、脳の活性化やストレス解消など、健康にも良い効果があります。
 何より、ハーモニカの音色には癒しの効果があり、心と体をリラックスされ、気持ちを落ち着かせてくれます。体が不自由でも呼吸さえできれば曲を奏でられるので、一生涯の趣味とすることができます。
 ハーモニカを始めるのに、決まった年齢などありません。今日からでも、生活の一部にハーモニカを通して音楽を取り入れましょう。

「絶対できる ハーモニカ100のコツ」木谷悦子著より